新人看護師を先輩看護師がマンツーマンでサポートするプリセプター制度。
先輩看護師(プリセプター)は、担当する新人看護師(プリセプティ)を約1年間、指導・教育します。

プリセプター1回目の記事はこちらです。
未読の方は、ぜひ読んでくださいね。


衝撃!2年連続でプリセプターをやるよう命じられた
プリセプターを1年終えて、3月を迎えた私。
しんどいことも多かったけれど、自分も成長出来たとメリットを実感していました。



のほほんとしていたわたしに、師長が放ったひとこと。









担当は男の子。よろしくね
師長の殺し文句。「あなたしか、いない」が出てしまった。



2年連続(リズの病棟ではかなり異例)でプリセプターを引き受けることになってしまいました。
2回目のプリセプター
2回目のプリセプターを引き受けた頃の私と、プリセプティのBくんを紹介します。


3年目の時よりも、少し余裕が出てきたし仕事が楽しくなってきた4年目の私。
Bくんは、大学の看護学部を優秀な成績で卒業したという新人さんでした。
初対面の挨拶が衝撃的だった
Bくんとの初対面。









ちょいちょいちょい。
初対面で先輩に「あ、はい」って言います???



とにかく周囲を怒らせるプリ太
初対面の印象は決して良くなかったBくん。
案の定、いろんな人を怒らせてしまいます。
先輩や同期を怒らせる









プリセプターの私のところへ、B君への苦情が殺到してしまいます。



先生を怒らせる
なんか、自信がありそう(に見える)Bくん。
だからパッと見た感じ、新人看護師には見えない。
これ、実はすごく危険なことなんです。
だから、病棟にフラ~っと来た先生につかまって指示を受けちゃう。
新人は指示受けしちゃダメなのに・・・(何もわかってないから)
それなのに指示受けちゃう!!(なんで)
しかもプライド高いから先生に分からないって言えない。(じゃあ受けるな)
で、指示受けしたのを私に持ってくるけどわかってないから説明できない。
仕方がないから、私が先生に電話で確認する。
結果、先生に怒られるのは私…。



患者さんを怒らせる
新人は仕事が遅い。
それは当たり前のこと。
むしろ、新人看護師にスピードは求めていません。
ゆっくりでもいいから確実にやることが大切です。
新人は重症度の低い患者さんを担当するし、一生懸命やっていれば大抵の患者さんは見守ってくれます。
でも、態度が悪いから患者さんからの評判も悪いBくん。



プリセプターが辛すぎる





大変だった去年の経験が、かわいく思えるほど個性的なBくん。



注意しても、あんまり響いていない様子のBくん。
何か困っていることがあるのかも疑問。
Bくんを、どう攻略する?



とにかくこのまま二年目看護師になっちゃうのはマズイ。
学校では優秀だったBくん、絶対になんとかしたい…。



個性的なプリ太だけどなんとか乗り越えた3つのステップ


STEP1:割り切った!
STEP2:「見える化」を意識!
STEP3:相手の気持ち作戦!
性格は簡単に変えられないと割り切った
新人看護師は「自分の能力不足にショックを感じる」という研究結果があります。
(参照:プリセプター制度の現状と課題)
でも、Bくんが能力不足にショックを受けているようには見えません。
そこで、もう割り切ることにしました。
Bくんの先輩看護師や先生への態度が一番気になったけど、ひとまずそこは置いておくことに。



リストを作り「課題の見える化」を意識
失敗しても謎に自信があるBくん。
このままでは医療ミスを起こしてしまうリスクも。
主任に相談して「一人でやっていいこと、やっちゃダメなこと」リストを作成しました。
病棟で使用しているラダー表や新人チェックリストではなく、Bくん専用の細か~いリストを作ったのです。
リストを渡されたBくんは、怪訝そうな顔。
「自分はできる」と思っているからですね。
本人が納得していなくても、認められていない業務を一人でやったら注意することを徹底しました。



相手の気持ちを想像させた
先輩や先生を怒らせても割り切っていました。
そのうち、スタッフもBくんの人間性がわかってきたのです。
でも、患者さんを怒らせたときには厳しめに注意をしました。






注意するのではなく、起こした事実から患者さんの気持ちを想像できるような振り返りを繰り返しました。
新人教育は可視化が重要。2年やっても反省点ばかり
だんだん無謀な仕事をしなくなってきたBくん。
仕事ができるようになっていくと、私に寄せられるBくんへのクレームも減っていきました。
スキルを身に着けてしまえば、特有のキャラも鼻につかなくなってきます。








振り返ると、新人教育における自分の至らない部分にたくさん気付きました。
Bくんにばっかり心の中でダメ出ししていたけれど、それは間違いだったなぁと。
次第にBくんは嘘みたいに(失礼)病棟に溶け込み、重症な患者さんを任される看護師に。






すっかり打ち解けて、仕事終わりに牛丼を食べに行くくらいには仲良くなれました。
親しくなることとフォローすることは違う、と割り切ることで2回目のプリセプターはなんとか終わりました。
正直、もう二度とプリセプターはやりたくないです。ほんとにしんどかった…。













