ついに、家族に「仕事を辞める」と伝えた。
これまでずっと悩み続けてきたし、何度も家で愚痴をこぼしてきたから、突然の話ではなかったはず。
でも、やっぱり「辞める」と決断したことを伝えるのは、少し緊張した。
我が家の家計と、私の収入の役割
私たち夫婦は、一般的な共働き家庭。
夫はサラリーマンで、私は看護師だけど契約社員。
夜勤もない働き方を選んできたので、看護師の中ではそれほど年収は高くなかった。
それでも、夫の給料で生活しつつ、私の収入は、子どもたちの習い事の費用や家族旅行、貯金に充てていた。
大切な収入源になっていたと思う。
育休を取りながら働いていた大学病院を辞め、今の職場に移って約10年。
その間、家計のバランスを考えながら仕事を続けてきた。でも、職場の体制が変わり、ここ最近はストレスばかりが募るようになった。
家でも何度も夫に「最近、仕事が本当にしんどい」「もう続けるのは厳しいかも」と話してきた。だからこそ、「辞める」と決めて報告したとき、意外とすんなり受け入れてもらえた。
夫の反応——「10年、よく頑張ったね」
「仕事、辞めることにした。」
夕食の準備をしながら、ふと切り出した。
夫は、驚くこともなく「そっか」と頷いた。
「今の職場、もう10年でしょ。よく頑張ったと思うよ。」
その言葉を聞いた瞬間、ふっと肩の力が抜けた。10年。長かったような、あっという間だったような。その間、育児と仕事の両立に悩みながらも、何とか続けてきた。
「次はゆっくり探していいよ。」
そう言ってくれた夫。でも、続けて「専業主婦になっていいとは言ってないよ(笑)」とも。
「知ってる(笑)」と私も苦笑いしながら、少しホッとした。仕事を辞めることで、家計に多少の影響は出るかもしれない。それでも、「しばらく休んでいい」と言ってもらえたことが嬉しかった。

思春期の子どもたちの反応が意外と可愛かった
うちの子どもたちは中学生。
最近は親と話す時間も少なくなり、「ママ、うざい」と言われることもある思春期まっさかり。
でも、「ママ、仕事辞めるんだよね」と伝えたとき、意外な言葉が返ってきた。
「え、じゃあ家に帰ったらママいるの?」
…ちょっと待って。そんな嬉しそうに言われたら、こっちが照れるじゃないか。
最近は部活や塾で忙しい子どもたちだけど、やっぱり家に帰ってきたときに親がいるのは、どこか安心するのかもしれない。
私はずっと「母親が働く姿を見せることも大事」と思ってきた。
でも、「家にいることが子どもたちの安心感につながるなら、それも悪くないな」と思った。
家族が受け入れてくれたことで、不安より安心が大きくなった
仕事を辞めることは、自分の中では大きな決断だった。
特に、40代の転職は決して簡単ではないとわかっているし、A先輩の「なかなか次が決まらない」という話を聞いて、不安がないわけではない。
でも、家族が「辞めていいよ」と言ってくれたことで、私は一人じゃないんだと思えた。
ずっと抱えていた重い気持ちが、少しだけ軽くなった。
もちろん、これから転職活動を本格的に始めることになる。
でも、焦らずに「次はどんな働き方をしたいか」「どんな職場なら長く続けられるか」をしっかり考えていきたい。
家族が支えてくれるからこそ、前向きな気持ちで新しい道を探していこうと思う。