看護師にこそ知ってほしい!VRで認知症の当事者目線を体験

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認知症ケアには当事者の目線を持つことが重要と聞くけれど

看護師として、ケアに自信が持てなかったり「これでいいのかな?」と不安に感じたりすることはありませんか。

とくに認知症は、対応が難しいと感じる方は多いのではないでしょうか。

そんな悩みを解決するヒントをくれるのが、認知症のVR体験です。

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VRって聞いたことはあるけれど、実際にはどんなことをするんだろう?


筆者は先日、VRで認知症を体験しました

この記事では、VR認知症体験の様子や実際に体験して感じたこと、日頃の看護に活かせそうなポイントについて詳しくご紹介しています。

認知症のオススメの書籍についてはこちらの記事で紹介しています。よろしければお読みください。

この記事を書いた人(ナースリズ)

看護師・保健師免許取得。

国立病院(4年間)・私立大学病院(8年間)・行政保健師(1年間)を経験。

4回の転職を経て、現在はプライベートと仕事の両立ができる職場で働いています。

看護師が自分を消耗しすぎずに働ける「理想の職場」を模索中です。

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認知症VR体験会とは

VR(バーチャルリアリティ)は「仮想現実」と訳される、視覚・聴覚の体験です。

悩む人

仮想現実?
バーチャルリアリティ?

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ゴーグルとヘッドホンを装着して
認知症の体験ができることです

VRでは、認知症当事者の目線そのものを体験できるとされています。

今回、筆者が体験したのは、株式会社シルバーウッドが主催するプログラム。

シルバーウッドは、サービス付き高齢者住宅(サ高住)を運営している会社です。

施設利用者の目線を元に、VRのプログラムを作成しています。

VR体験には、一人ずつ専用のゴーグルとヘッドホンが用意され、実際に装着すると、視界の360°にバーチャルな世界が広がります。

VR認知症体験の研修内容

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当日は、3つのプログラムを体験しました

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それぞれの内容と感じたことをご紹介します

認知症の中核症状の一つをVRで疑似体験する

はじめに視聴したのは『私をどうするのですか?』というプログラムです。

認知症の中核症状の一つである、視空間失認を疑似体験しました。

視空間失認とは…
自分と周囲との距離感が歪んで見えることで、恐怖を感じたり日常生活の動作に支障が出たりする症状

自分がビルの屋上に立ち、地面を見下ろしている状況からプログラムが始まります。

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屋上に柵は無く、真下に幹線道路が…。
思わず足がすくんでしまいました。

そんな状況で笑顔の介護職員に「大丈夫ですよ」と声を掛けられ、屋上から飛び降りるように促されるのです。

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このまま一歩を踏み出したら、確実にビルから落ちてしまう。笑顔でスタッフから降りるように促され続ける…

講師の「VRゴーグルを外してください」という声が聞こえるまで、恐怖感と不安感が続きました。

これは、車から降りることをビルから飛び降りるように認識してしまった利用者の体験から作成されたプログラムでした。

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認知症の方は、車から降りるわずかな段差を、ビルの屋上のように感じることもあるんだ…

2分程度の短い映像ですが、視空間失認の体験は強烈な印象として残りました。

レビー小体型認知症の幻視を体験

続いて体験したのは、レビー小体型認知症の症状の一つである「幻視」です。

レビー小体型認知症当事者である樋口直美さんが監修したプログラムです。

友人の自宅に遊びに行ったときに現れる幻視を体験しました。

帽子掛けが女性に見えたり携帯電話の充電コードが蛇に見えたりしました。

幻視が現れては消えていくうちに「何が現実で何が幻視か」わからなくなってきます。

突然現れては消える幻視に、不気味さと居心地の悪さを感じました。

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これだけ怖ければ、レビーの方が叫んだり暴れたりしても当然だと納得しました

ここがどこだかわからない不安を体験

最後に体験したのは、『ここはどこですか?』と題されたプログラムです。

電車に乗っているうちに、突然どこにいるのかわからなくなってしまうという体験をしました。

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自分はどこに行こうとしているのか、そして今、電車はどこを走っているのか分からず、不安な気持ちが募っていきます。

周囲の人に質問することに迷い、ようやく声をかけた人にも上手く状況を伝えられません。

周囲の人に理解してもらえない疎外感を体験しました。

VR認知症体験のメリット

認知症は、観察やケアの対象だった筆者。

実際にVR体験を通してどんな心境の変化があったのか、感じたメリットをご紹介します

メリット1:認知症が他人事ではなくなる

VR体験会では、90分で3つのプログラムを視聴します。

そして、参加者同士が「何を感じたのか、どうして欲しかったか」を話し合うが設けられています。

他者の視点を想像しながら、実際に自分だったらどう思うかを語る

看護師として「患者さんの気持ちを考えて」「患者さんに寄り添って」ケアをしたいと思っていても、簡単なことではありません。

しかしVRを体験すると「当事者には、こんな風に見えるのか!」という驚きがまず最初に来ます。

そしてその気持ちをすぐにアウトプットできるので、自然と一人称の視点で話すことができました。

混乱している状態で大丈夫?と聞かれると、「大丈夫です」と返答したくなってしまうものなんですね。

メリット2:同じプログラムを見ても感じることは違うと実感

他の参加者の意見を聞くと感想がそれぞれ違うことに気付きました。

「何を思ったか」「どう接してほしかったか」を話し合うグループワークはとても貴重に感じました。

同じグループの参加者からは「急に話しかけられても困ってしまう」「具体的に、何に困っていますか?と聞いてほしい」という意見も出ました。

メリット3:認知症の病態生理を復習し、行動・心理症状を深く理解できる

プログラムの中では、認知症の中核症状や行動・心理症状の説明も行われます。

VR体験をしてから講義を聴くことで、認知症に対する理解は確実に深まります

認知症の行動・心理症状は、環境や周囲の人の関わりで変化します。

実際にVR体験をして感じたことは、周囲の人が理解してくれなかったら自分はパニックになってもおかしくないということです。

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ビルから突き落とされそうな時に「大丈夫ですよ」と言われても、全然大丈夫じゃない
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虫が湧いているケーキを「どうぞ」と笑顔で出されたら、不気味でしかありません

VR体験のデメリット

認知症VR体験のメリットをご紹介してきましたが、デメリットはあるのでしょうか?

人によって個人差があるかと思いますが、デメリットについてご紹介します。

デメリット1:VRは酔う?気分が悪くなる人も

VR体験では、ゴーグルとヘッドホンを装着します。

自律神経や脳が混乱して、人によっては気分が悪くなることがあるようです。

実際に、参加者の中には「酔った」「慣れるまで気持ち悪かった」という声が挙がりました。

VRに酔って体験を中断せざるを得ない参加者もいました。

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VR酔いがある方は、モニターの映像を見ることもできます

デメリット2:研修会を探すのが大変

一人に一つずつのVRゴーグルとイヤホンが必要なVR体験。

参加してみて、研修の開催にはコストが掛かりそうな印象を受けました。

なかなか体験できる機会を見つけるのに苦戦しました。

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筆者は研修会の情報をこまめにネット検索して見つけました

VR体験のほかにも認知症当事者への理解を深める方法は

VR体験がなかなか難しいという方でも認知症当事者への理解を深める方法があります。

本や映画、講演会を通して認知症の方の思いを知ることで、今までとは違った目線で認知症を捉えることができるようになるでしょう。

認知症の本人や家族が執筆した書籍を読む

誤作動する脳

若年性レビー小体型認知症当事者の樋口直美さんの著作です。

レビー小体型認知症はの症状は、まさに「誤作動」が多く出現することが、わかってきます。

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認知症の私から見える社会

若年性アルツハイマー型認知症当事者の丹野智文さんが、認知症当事者の声を集めた本です。

「認知症になったら精神科に入院させられた。それは、家族が鬱になってしまったから」

なぜ鬱になった家族が入院しないのか。丹野さんはそう思ったそうです。

当事者として不安や悩みを抱えながらも前向きな生き方を模索してきた丹野さん。

社会の対応から感じた「生きづらさ」だけでなく、当事者としての工夫も書いてあるため、認知症への印象をポジティブにできる一冊です。

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親のパンツに名前を書くとき

元介護職員の漫画家、北川なつさんの著作です。

温かいタッチのイラストで、ありのままの介護の日常が描かれているコミックエッセイです。

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「認知症になったら何もわからなくなるという偏見をなくしたい」という佐藤さんのメッセージが込められています。

認知症の講演会に参加する

近頃では、認知症当事者の講演会が多く開催されています。

中にはYouTubeなどの動画配信サービスを通して無料で視聴できるものもあります。

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若年性アルツハイマー型認知症当事者の丹野智文さんの講演会を聴講しました

認知症の発症から10年が経過し、現在も仕事を続けながら認知症当事者の思いを伝える講演活動を行っている丹野さん。

認知症と診断されてからの思いや周囲の人との関りに変化があったのか、当事者の話を聞く重要性に気付かされたのは丹野さんの講演がきっかけです。

認知症をテーマにした映画も

2023年6月公開の映画、オレンジランプ

和田正人さん、貫地谷しほりさんのW主演映画です。

39歳で若年性アルツハイマー型認知症を発症した丹野智文さんをモデルに制作されました。

認知症と診断されてからのさまざまな葛藤を乗り越えて、家族や周囲の人との絆が強くなっていく様子が描かれている映画です。

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認知症をテーマとしつつも暗くならない、ポジティブな気持ちになれる映画です!


VR認知症体験を通して、認知症への理解を深めよう

VRで認知症を体験し、戸惑いや不安を感じたことは、貴重な経験になりました。

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看護師としての知識や患者さんとのやり取りから得た認知症のイメージに自分の体験を重ねることによって、より認知症を深く理解できたと感じています

VR体験は、今までの認知症研修の中で一番インパクトがある研修でした。

患者さんの目線で考えることや、不安な気持ちを理解する重要性を再確認できます。

そして、今まで関わってきた患者さんのことを、沢山思い出しました

認知症の症状についてこれまで学んできたはずでしたが、実際に見て体験することで、よりご本人への理解が深まったと思います。

「これからは、話をもっとよく聞くようにしたい」と、自分のケアを見つめ直すきっかけにもなりました。

今後も、認知症の当事者の方の本を読んだり講演会に参加したりして、当事者の目線を忘れずにいたいと思います。

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最後までお読みいただきありがとうございます

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