「看護師を辞めたい」
「今の職場がしんどいから転職したい」
このように思っても、どのように転職活動を進めていったらいいのか迷ってしまうことはありませんか?
看護師の転職というと求人情報を検索することからスタートするのが一般的。
でも、やみくもに求人検索をすることはお勧めできません。
転職を成功させる秘訣、それは、自己分析を行うことです。
自己分析とは…
自分の内面やスキルを客観的に把握できる手法
自己分析と聞くと「面倒」「難しそう」と思う方もいるかもしれません。
でも、やってみると意外と簡単にできます。
実際にやってみると自分のパーソナリティな部分が表面化されてくる自己分析。
「なぜ転職をしたいのか」「転職によって何をかなえたいのか」が明確になり、転職がスムーズに行いやすくなるメリットがあります。
この記事では、看護師転職を成功させる「自己分析」の方法をご紹介します。
記事の中で、筆者が看護師4年目で転職した時の自己分析の様子もご紹介しています。
ぜひ最後までお読みください。
この記事がおすすめの人
・今の職場に不満がある
・自分のアピールポイントを知りたい
・自分にぴったりの転職先を見つけたい
・転職を成功させたい
自己分析を行うメリット4選
まずは自己分析を行うメリットを4つご紹介します。
- 長所・短所を認識できる
- 転職で実現したいことが明確になる
- 履歴書・面接に困らない
- 転職後に後悔するリスクが減る
長所・短所を認識できる
自己分析をすると、自分の長所と短所がハッキリします。
自分の強みに気づくと「それを生かして働くとしたらどんな環境がベストかな?」とイメージしやすくなりますね。
また、自己分析では、長所だけでなく短所も見えてきます。
転職活動においては、この「短所」や「やりたくないこと」が重要です。
「やりたくないこと」が明確になると、転職先に求める条件が明確になります。
転職活動において、自分の核となる長所と短所を把握しておくと面接でかなり有利になります。
転職で実現したいことが明確になる
自己分析をすると転職期間が短くなることが一般的です。
溢れるほどの情報の中からでも、条件に合ったものをピックアップしやすくなります。
とくに働きながら転職活動をする人にとっては、時間的な負担が軽くなる点がメリットです。
ビジョンが明確な人は条件に合わない職場に応募しないため、無駄な応募に時間を費やすことなく、スムーズな転職活動が実現します。
履歴書・面接に困らない
自己分析を事前に行うと、履歴書の準備や面接がスムーズになります。
履歴書や職務経歴書は、書類選考~面接~最終選考~配属先の決定までの長い期間、採用担当の手元に残る大切な書類です。
履歴書には経歴だけでなく「長所」「短所」欄がありますね。
自己分析でこれらを客観的に把握できている人は、迷わず記入できるので有利です。
そして、自己分析は履歴書だけでなく面接対策としても有効です。
面接でよく質問されるのが「前職場の退職理由」と「志望動機」ですが、自己分析をしている方は、面接の受け答えに一貫性が出ます。
説得力がUPするので、面接官からの信頼を得やすくなるでしょう。
転職後に後悔するリスクが減る
自己分析を行うと、転職後に後悔するリスクが減ります。
実は、転職後に職場の現実を目のあたりにしてから「こんなはずじゃなかった」とミスマッチを感じて後悔してしまうことは珍しくないのです。
年収や条件で「なんとなくよさそう」な求人に安易に応募してしまうのは危険です。
自己分析の簡単な方法:5STEP
自己分析にはさまざまな方法がありますが、今回ご紹介するのは、紙に書く方法です。
書くことで、自分自身をより客観的に把握できる効果があります。
面倒に感じるかもしれませんが、意外と簡単にできますので是非チャレンジしてみてください。
以下のステップで自己分析をしていきます。
1.経験やスキル
2.自分の長所・短所・性格
3.「やりたくないこと」
4.「やりたいこと」と「希望条件」
5.希望条件に順位をつける
1.経験やスキルを書き出す
看護師の経験とスキルを洗い出ししていきます。
職場の情報を簡潔に
まずは、職場について簡単に記入します。
「どんな病院」の「どんな分野」で、「どのくらいの期間」働いていたかを書きましょう。
<筆者の例>
どんな病院:総合病院(450床)
どんな分野:循環器外科(ポストCCU併設)
どのくらいの期間:4年間
複数の職場での勤務経験のある方は、それぞれの職場について例を参考に書いてみてください。
職場の特徴と役割からスキルを洗い出す
職場の特徴と担っていた役割から、身につけたスキルやアピールできるポイントを分析してみましょう。
<筆者の例>
職場の特徴:忙しい急性期病棟・人間関係がギスギスしている
身についたこと:判断能力やチームワーク・雰囲気の悪い職場でも4年働いた(根性)
役割:日勤リーダー・プリセプター・インシデント係
身についたこと:チームワーク・コミュニケーション能力・忍耐強さ・KYTや事例検討を通して客観的な視点
職場でストレスに感じたことを挙げる
職場への不満や、ストレスに感じていることを挙げましょう。
・人間関係が悪い、意地悪な上司がいる
・残業が多くてプライベートな時間が取れない
・長期休暇が取れない風潮で旅行に行きづらい
とにかく思いつく範囲でどんどん書いていきましょう。空欄の場合には、無理に埋めずに次に進んでも構いません。
2.自分の長所・短所・性格を書き出す
続いて、長所や短所、性格などを書いていきます。
ひとつ前のステップで経験やスキルを書いてみて「意外と自分は我慢強いな」「焦らずに冷静に判断できるタイプかもしれない」「後輩の指導が苦にならない」など、気が付いたことはありませんか?
経験から得たスキルは、まぎれもない長所です。転職活動における重要なアピールポイントになります。
また、その反対に「感情がすぐに表情に出てしまうタイプ」「ストレスに弱い」などの短所も見えてくることもあります。
ここで見えてきた短所もしっかりと押さえておきましょう。
3.やりたくないこと
仕事の中で嫌だと感じたことや、苦労したことを棚卸しましょう。
そこから「やりたくないこと」を書き出します。
自己分析では、この「やりたくないこと」といったネガティブな感情を中心に考えてみるステップが重要です。
今の職場にどんな悩みや不満を感じているのか、なぜ転職したいと思ったのかをもう一度考えてみると「やりたくないこと」が見えてきます。
まずは、思いついた悩みや不満を書き出してみます。
職場への不満や苦労したことを書く
・人間関係がギスギスしている
・意欲の低い先輩が多く、風通しが悪い
・残業が多く、ヘトヘトになって帰宅
・夜勤がしんどい
・3交代で休みが少ない
・給料が不満
・地方で研修や学会に参加するのが遠い
そこからさらに具体的に「やりたくないこと」を考えてみます。
やりたくないこと・できないこと
・上司の顔色をうかがいながら働きたくない
・スキルアップが認められにくい職場にいたくない
・残業で仕事帰りの予定を立てられない生活はやめたい
・まとまった休みがほしい
・給料は最低限〇万円ほしい
・地元にいつまでも住みたくない
看護師の仕事は、「夜勤」や「残業」がつきものです。
このタイミングで、夜勤・残業は「やりたくない」のか「別にやってもよい」のかを考えてみましょう。
4.希望条件を挙げる
前のステップで分析した内容をベースに、転職先に求める「希望条件」を明確にしていきます。
スキル・経験
筆者のスキルのまとめ
総合病院(450床)の循環器外科に4年間勤務。忙しい急性期病棟で、判断能力やチームワークが身についた。人間関係や雰囲気の悪い職場でも4年間続けられた。日勤リーダー・プリセプター・インシデント係を担当し、チームワーク・コミュニケーション能力・忍耐強さ・客観的に物事を見る力が身についた。
やりたくないこと
・上司の顔色をうかがいながら働きたくない
・スキルアップが認められにくい職場にいたくない
・残業で仕事帰りの予定を立てられない生活はやめたい
・まとまった休みがほしい
・給料は最低限〇万円ほしい
・地元にいつまでも住みたくない
希望条件
スキルとやりたくないことを基本として、自分だけの希望条件を考えてみましょう。
・風通しが良くチームワークが取りやすい職場
・都市部でアクセスの良い地域
・中途でも入寮できる/家賃補助がある
・教育制度が充実している
・資格取得のサポート制度がある
・年収〇万円以上
・まとまった休暇が取りやすい
・2交代制
自分軸で分析することで、オリジナルな希望条件が浮かび上がりました!
希望条件に優先順位をつける
前のステップの希望条件を「ゆずれない」順に優先順位をつけてみます。
1位:風通しが良くチームワークが取りやすい職場
2位:まとまった休暇が取りやすい
3位:年収〇万円以上
4位:都市部でアクセスの良い地域
5位:2交代制
6位:資格取得のサポート制度がある
7位:中途でも入寮できる/家賃補助がある
8位:教育制度が充実している
優先順位を付ける作業はとても重要です。
この優先順位の作業で、筆者は「残業はある程度我慢できるけど、海外旅行に行きたいからまとまった休みが取れるほうが嬉しい」と自分は考えていることに気付きました。
転職によって、どんなライフスタイルを実現したいのかが明らかになる自己分析。
理想論ではなく、自分の経験や希望を織り込んだ「オーダーメイドの希望条件」を見つける作業です。
優先順位をもとに情報収集をする
自己分析で譲れない条件が明確になっている方は、情報収集がスムーズにできるようになります。
希望条件に100%マッチしていなくても、優先順位の上位を満たしている職場をピックアップできるようになるからです。
自己分析を終えたら、転職サイトを利用すると効率良く情報収集ができます。
看護師転職サイトを積極的に活用してみよう
転職の情報収集には、看護師転職サイトを利用するのがおすすめです。
転職サイトのキャリアアドバイザーに希望条件を伝えるだけで、条件に合った求人情報を素早く入手できます。
転職サイトの初回相談時には、自己分析をして希望条件を見つけたことを伝えてみてください。
自己分析をしている人は「転職に意欲的」「客観的な視点をもっている」と評価され、キャリアアドバイザーからの信頼度が高くなります。優先的に条件の良い求人を紹介してもらいやすくなるでしょう。
ここまで、自己分析の方法を紹介してきましたが、「一人では客観的に自分を分析できない」「自己分析してみたけれど、自分の強みや短所を見つけられなかった」という方は、キャリアアドバイザーにカウンセリングしてもらうことをおすすめします。
カウンセリングを通して、自分のアピールポイントや希望条件を見つけていきましょう。
こちらの転職サイト3社では、担当のキャリアアドバイザーによる手厚いサポートが受けられます。
ナースパワー人材センターは、求人件数4万件を誇る看護師求人サイト。
30年間看護師の転職をサポートしたノウハウが蓄積されています。
新しい働き方「応援ナース」も好評で、年間約2,000人が登録しています。
まとめ|自己分析を通してオーダーメイドの転職を
本記事では、自己分析を行うことで得られるメリット4つと、紙と鉛筆で簡単にできる自己分析の方法について解説しました。
転職活動のスタートに自己分析を行うと、経験やスキルを強みとして把握し、「やりたくない」ことから条件を具体的に絞っていけます。
「転職で叶えたいこと」が明確になり、効率よく転職活動ができる上、入職後のミスマッチも防げます。
看護師として、どんなキャリアを歩みたいですか?
どんな職場だと前向きな気持ちで働けそうですか?
この記事で紹介した自己分析の方法は、紙と鉛筆があれば簡単に始められます。自分の希望を叶えられる職場に出会えるよう、ぜひ自己分析に取り組んでみてください。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。